読録 2017年 第2号は神谷宗幣さん著書の 大和魂に火をつけよう という本についてです。
(前回の投稿で、読録からBrainFeederに名前を変えましたが、なんかしっくりこないので読録に戻しました笑)
個人的全体評価: | |
読みやすさメーター: | |
語彙の難しさメーター: | |
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新しい価値観メーター: | |
説得力メーター: |
この本に自分でタイトルをつけるならズバリ:
著者: 今の日本の現状に危機感を抱け!
1977年、福井県生まれ。関西大学文学部史学地理学科卒業後、家業のスーパー経営と高校の教師を兼任。2007年、29歳で吹田市市議会議員に当選し、2012年からはCGS(Channel Grand Strategy)という日本の歴史に特化したオンライン塾を立ち上げ現在に至る。2010年には坂本龍馬プロジェクトを立ち上げており、現代版の「船中八策」こと「国是十則」を掲げ日本のビジョンを作っていくことを目標に活動している。個人的な話をさせていただくと、夢を語れの西岡津世志さんの紹介で会うことができた方。 |
読書に至ったキッカケ
今年最初の投稿で2017年の抱負を立て、その内の①「竜馬がゆく」を読む!、と②2ヶ月に1回国内旅行をするを組み合わせて、
高知県の坂本龍馬記念館の館長さんの家でホームステイしながら「竜馬がゆく」を読み、毎日記念館に足を運び、毎晩坂本龍馬について館長さんと語り明す2-3週間を送る!
という「夢」を編み出したことについては、前回の投稿で触れました。
さて、夢ができましたので、次のステップはその夢を語ることです。
夢を語ることが、夢を叶えることの第一歩である、ということは大学生時代私が働いていたラーメン店、夢を語れBoston店で、私がこの身をもって学ばさせていただいたことです。
まず、Facebookで高知県にゆかりのある人を探してみて、名乗り出てくださった方に今回の計画について話したりしていました。
そして、先週我らが「ラーメン荘 夢を語れ」の店長さんである西岡津世志さんがたまたまBostonから東京に戻られていたので、会いに行ってこの新しい「夢」について語らせていただいたところ、2日後に電話があり、
トゥルルルル… トゥルルルル….
カチャッ
「こんにちは津世志さん! どうしました?」
「今、坂本龍馬プロジェクトの会長さんと一緒にいるんだけど、今晩9時半に六本木来れる??館長さんも、坂本龍馬の子孫も皆知ってるそうやで」
「え、本当ですか????笑笑」
という、急すぎる展開ではありましたが(津世志さんのコネの広さと深さは、さすがとかいいようがありません。)その日中に、”坂本龍馬プロジェクト”たるものの「会長」さんにいきなりお会いすることができました。
その会長さんがこの本の著者、神谷宗幣さんでした。
早速自己紹介をして、
8年ぶりに本帰国したところ日本を知らない自分に気づきショックを受けたこと、
ルームメイトの影響で「竜馬がゆく」を読みたいと思っていること、
高知県の坂本龍馬記念館の会長さんに会いたいこと、
できれば高知県でホームステイをしながら肌で坂本龍馬を学び、今後世界を舞台に活躍していくにむけて自分の中に坂本龍馬という軸を作りたいこと、
そして坂本龍馬から派生して幕末について再勉強したいこと、
など一気に語らせていただきました。
終始うん、うんと相槌を打ちながら話を聞いてくださっていた神谷さんですが、やはり一筋縄では行きませんね、二つ返事で「はい、わかりました、紹介しましょう」とはなりませんでした。
当たり前ですが、人を紹介するということには、リスクが伴います。
その人に貴重な時間を割いていただくわけですから、もし紹介した人が会うに値しない人間であったら、その人の時間を奪ってしまったことになります。
ですので、第三者を知人に紹介する、ということは本来とても気を使わなければいけないことです。
「坂本龍馬のことを勉強したいと言っている若者がいるので、会ってあげてください」
なんて紹介だけでは「ふ〜ん、それで? 俺会わなきゃいけないの?」となってしまいますね。
まだまだ自分は甘かったです。
ただ神谷さんは、もっと坂本龍馬自身のことも含め、彼が生きた幕末の時代背景、世界の情勢、吉田松陰などの他の志士についても勉強した上で、「日本のこういう将来を作っていくために、坂本龍馬から学びたい」というもっと高い視座を持つようになったら、紹介しやすいね。と言ってくださいました。
そして、そのためにまず彼が書いた坂本龍馬についての本(坂本龍馬に学ぶ仲間をつくる力)を読んで、坂本龍馬の一生についておさらいすること、そして彼がたまたまそのとき持ち歩いていたこの本を読むことをお勧めしてきました。
そのようにしてこの本とは出会いました。
軽い気持ちで首を突っ込んだ【坂本龍馬を学ぶ旅】ですが、なんだか壮大なプロジェクトになってきました。
とにかく、この本がこの旅のスタートの一冊です!
要約
市議会議員として活躍した経験があり、今現在もよりよい日本の将来を創っていくために全身全霊を注いでる神谷宗幣さんは、本書を通して、①彼がどのようにして日本の現状/将来に危機感を抱くようになったのか、そして②どのようにすれば私たちも日本の現状/将来に危機感を抱き、行動を起こすことができるか、の2点について主に主張しています。
そして神谷さんは、
①日本の現状/将来について危機感を抱くようになったきっかけ → スイッチ
②危機感を抱き日本について真剣に考えている状態 → 大和魂
と定義しています。
神谷さんのスイッチが入ったとき
神谷さんはいたって普通の生活をしていましたが、大学生のときに転機が訪れました。
英語の教授から「50万もあればヨーロッパを一周できる」と聞いた神谷さんは、お金をためて海外での長期滞在をすることを決意します。
結局ヨーロッパ一周ではなく、カナダの語学学校に通うことになったのですが、そこであった他国の語学学生たちが自分の国の将来のことを真剣に考えて勉強している姿に、神谷さんは胸を打たれます。
そして、「お前は日本をどうしたいんだ?」と聞かれて答えに詰まる自分に気づいたときに、同世代なのに、よその国の学生は「すごいな」という気持ちを抱き、しかしそれはやがて「日本の将来はやばいな」に変わっていきます。
その後、結局ヨーロッパ一周も果たし、アフリカにも行った神谷さんが日本に帰ってきて感じたこと、それは日本は素晴らしい国であるということでした。
そして、「日本人であることを誇りに思い、日本のことをもっと知って、後から生まれてくる日本人にも今の自分と同じ想いを持ってもらおう」と強く思ったそうです。
神谷さんの日本人スイッチが入った瞬間です。
大和魂を持つということ
神谷さんは、大和魂を持った日本人が持つべき素質として、西郷隆盛や吉田松陰が持っていた能力の共通項でもある5つの能力をあげています。
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- 公平でよき人間関係を築き、人を助けることができる
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- 損得を超える正義感と正直さを持ち、人や社会への貢献を考えて働くことができる
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- 自然や郷里を愛し、先祖や目に見えない尊いものを大切にできる
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- 思考停止せず、独立した心と健全な身体を維持できる
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- 誇りと使命感を持ち、「今」に焦点を当て、命を燃やして生きることができる
神谷さんは、かつての日本人にはこれらの素質がより多くの人に備わっていたのではないか、と述べています。
そして、その妨げになっているものとして、日本語の荒廃、道徳主義の衰退、過度な都市化、テレビ、受験教育、歴史教育の欠如、などを挙げています。
振り返れば、戦後日本の教育はGHQによって「2度と立ち向かってこない国すること」「日本を弱体化すること」を目的に、根本的に作り変えられました。
それが、今の危機感ゼロの日本人を生み出しているのではないか?と神谷さんは考えています。
それでは、そのような現状をどのように打破するべきなのか???
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- 反日教育の仕組みを知る
1945年の10月から12月の間に、GHQによって日本の教育は大幅に改造された(思想に反する教員の排除、道徳教育の停止、神道指令など)
- 反日教育の仕組みを知る
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- マスメディアの仕組みを知る
マスメディアはスポンサーに嫌われるような報道はさける、新聞ーテレビー地方ローカル局とのクロスオーナーシップ、官公庁や警察に存在する記者クラブ、など
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- 自国の歴史を知り、今の自分が置かれた状況を時間軸の上で知る
アヘン戦争から開国、戦争、敗戦の流れから、日本が敗戦国であり、戦勝国が作ったルールの中に生きていること、など。
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- 戦争はなぜ起きるかを知る
食料・エネルギーを手に入れるため、外交上の課題の決着をつけるため、戦争が起こると儲かる人がいるため
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- お金の仕組みを知る
もともとは物々交換の不便を解消するためのお金が今や銀行のさじ加減1つで増えたり減ったりするようになっている現実を理解しておくこと。お金を持っている物がさらにお金を生み出すことができること。
これらのことを理解しておくことが、日本の現状に対して常に問題意識を持つことに寄与すると神谷さんは考えています。
神谷さんが描くビジョン
「スイッチ」が入り、「大和魂」に目覚めた神谷宗幣さんは具体的にどのような日本のビジョンを願っているのでしょうか?
彼は坂本龍馬の船中八策にならい、国是十則たるものを掲げ、坂本龍馬プロジェクトを立ち上げましたが、彼が目指している日本の姿を大きくまとめると以下の2つになります。
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- 道義国家 … 正しいことを行う国、人間教育を中心にした道徳教育を復活させて、人間力と独立した信念を持つ日本人を育てること。
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- 永世中立 … 一定の武力と経済力を保持し、他国の思惑に左右されず、戦争などに巻き込まれない国になること。またそのために、自分たちの権利や自由は自分たちで守らなければ行けない、という国防教育を行っていくこと。
所感
私自身、日本を離れアメリカという国に8年間ほど滞在した日本人であるにも関わらず、今まで神谷さんのように日本の将来について危機感を抱いたことはほぼありませんでした。
全く日本の将来に危機感を持たなかった、というわけではないのですが、神谷さんほど強くは感じませんでした。
向こうで出来た友達と、全く政治の話をしなかったわけではありません。
ただ、例えば日本の将来のことや、日本の政治問題について聞かれ、上手く答えることができなかったときに感じた焦りや悔しさが、神谷さんほど強くなかったのだと思います。
要するに、彼の「スイッチ」が入ったのと同じような局面に自分は幾度も向き合っておきながら、「スイッチ」が最後まで入らなかったということですね。
もしかすると、自分の日本人としての自意識やプライドがまだ小ちゃかったのかもしれません。
となると、まずは日本のことについて今一度勉強し直し、まずは世界のことを知る前に歴史の文脈の中で現在の日本をより正確に捉えることができるようになることが、自分にとって最優先だと思います。
神谷さんから直接いただいた本を読み、さらに坂本龍馬について、そして日本の歴史について勉強したい!という気持ちが強くなりました。
応用
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- 神谷さんが書いた坂本龍馬についての本を読む
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- その後に「竜馬がゆく」を読む
- CGSの歴史についての15分ビデオを1日1つ見る!