読録7 “岩田松雄 ~ 「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方 ~ “

読書記録、略して”読録”第7号は岩田松雄著書の 「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方 という本についてです。

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個人的全体評価: (3/5)
読みやすさメーター: (4.5/5)
語彙の難しさメーター: (2/5)
ドキドキメーター: (2/5)
新しい価値観メーター: (3.5/5)
難しさメーター: (2/5)

個人的全体評価:

読みやすさメーター:
語彙の難しさメーター:
ドキドキメーター:
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読書に至ったキッカケ

今所属している組織で毎月行われている社内研修の課題図書でしたので読みました。

といっても、研修は私が仕切らせていただいているので、この本を課題図書に選んだのは自分だったのですが…

研修のテーマは「リーダーシップ」についてでしたので、リーダーシップについての本をAmazonレビューで検索していたところ、人気も高く一番最初にヒットしたのが実はこの本でした。

内容紹介には、

“誰にでも頑張ればリーダーになれる、私だって普通のおじさんだ”

という箇所が強調されており、それはまさに自分がこの研修を通して皆に訴えかけたかったことのひとつでありました。

アメリカの教育と比べて、日本ではリーダーシップ教育というものをあまりしません。

その結果、リーダー = 組織のトップに立っている人、と思い込んでいる人がたくさんいるように思います。

しかし、組織の上に立つ人でなくてもリーダーになれますし、逆に皆がそれぞれリーダーシップを発揮してどんどん組織に貢献するべき、というのが私の考えです。

ですので、この本を研修の課題図書にすれば、少しでも会社の同僚の人にその考えが浸透するかと思い、この本を課題図書に選びました。

要約

岩田松雄さんは大学卒業後日産自動車で勤務、そのあとアメリカでの MBA 留学を経て、ジェミニ・コンサルティング・ジャパン、コカ・ コーラ、アトラス、タカラで働いた後は、ザ・ボディショップ、そしてスターバックスでCEOを務めました。

この本の趣旨を一文にまとめると、それはズバリ

人を治める前に、まずは自分を修めよ – p.25

「リーダーとは自発的になるものではなく、周りに推されてなるものだ」が持論の岩田さんは、周りに推されるための条件として、人としての徳があることをあげています。

約250ページにわたって、良きリーダーはどういう振る舞いをするのか、そして良き人間は何を心得ているのかを、自分が働いてきた会社での経験談を交えながら分かりやすく説明しています。

その中からでも特に自分が気に入った3つを抜粋します。

1. かぶる帽子をひとつにする – p.221

スターバックスの幹部であるハワード・ビーハー氏の言葉であるらしいのですが、

“かぶる帽子を 取り替えるように、対応する相手やそのときどきの環境によって人間性を変える人がいる。それをやってはいけない。”

という意味です。要するに、全ての人間と対等に付き合いなさい、という意味が込められています。

人によって顔を変えるさまを”帽子”に例えているのが面白いですね。

2. 立ち止まれる時間をつくる – p.173

リーダーたるものは責任も多く、忙しくなりがちですが、1週間に最低でも1回は、ゆっくり物事について考えられる時間を最低3時間は設けることを岩田さんは推奨しています。

岩田さんは、その「一旦停止」の時間を利用して、人の徳を高める方法として推奨している読書をするそうです。

CEOになって忙しくなった近頃でも、最低1ヶ月4冊のペースで読書するそうです。

3. 無私の心を持つ – p.235

ジェームス・C・コリンズ著の「ビジョナリー・カンパニー2」の“針鼠の概念”というものを岩田さんは紹介しています。

“針鼠の概念”とは、コリンズ氏が定義した会社の目指すべき方向についての考え方で、

  1. 「情熱をもって取り組めるもの」
  2. 「自社が世界一になれるもの」
  3. 「経済的原動力になるもの」

の3つの円が重なることを会社の目指すべき方向、すなわちミッションにしなさい、と推奨しています。

これを岩田さんは会社レベルから個人レベルに当てはめ、

  1. 「好きなこと」
  2. 「得意なこと」
  3. 「人のためになること」

の 3 つの円が重なることを自分の人生のミッションにしなさい、 と言っています。

無私の心を持つ、とはつまり3つめの「人のためになること」をちゃんと考慮しなさいよ、ということですね。

応用

1. かぶる帽子をひとつにする

これを、自分は頭ではわかっていても、なかなか実践できません。

目上の人といるときは自然体でいられるのですが、正直なところ、自分の後輩であったり、自分より経験が浅いと自分で勝手に勘違いして決めつけてしまった人に対しては、同じような謙虚さをもって接することが苦手です。

これは、アメリカで自分が8年過ごしてきて下手な自信をつけてしまったことが理由だと思うのですが、今回岩田さんの本を読んで、そういう「帽子を換える人」は信頼されないし、誰もついていかない、ということを再確認しました。

今からでも遅くないと思いますので、 帽子を1つに絞って日々過ごしていきたいと思います。ちなみにその帽子は麦わら帽子がいいです。 By 海賊王になりたい男

2. 立ち止まれる時間をつくる

岩田さんは228 ページで「人としての徳を高めるために最終的にたどり着いた」本として「四書五経」というものを紹介しています。

四書は「論語」「大学」「中庸」「孟子」
五経は「易経」「書経」「詩経」「礼記」「春秋」

のことであるそうなのですが、ようするに東洋哲学のことですね。

言葉は身の文、といいますが岩田さんの本を読んでいると、彼の器の大きさ、心の温かさをひしひしと感じました。

彼のような徳のある人間に自分もなりたいので、ぜひこの四書五経、私も目を通したいです。

まずは、最近よく本屋でも見かけたりする孔子の論語を、誰の翻訳が一番評価が高いか、レベル的に自分に合っているかちゃんとリサーチした上で購入してみたいと思います。

今は毎朝20分の読書の時間を取れていますが、練習と仕事がOFFの火曜日に、喫茶店にでも出かけてまとまって読書できる時間を作るよう心がけたいと思います。

3. 無私の心を持つ

今自分に一番足りていないものかもしれません。

考えてみれば、ハーバード卒Jリーガーを目指すというのも、自分以外の誰のためにもなりません。

なぜ自分は自分のことにしか興味がないのか。

なぜ無私の心を持って、もっと他人や社会に興味を持ち、自分の人生を他人や社会のために生きることをしようとしないのか。

岩田さんの本を読み終えた時、自分をちっぽけな存在に思えた理由はここにあると思います。

この、自分に足りていない、いわゆる日本人らしい「思いやり」「気遣い」の精神は、自分も身に付けたいです。

そのためには、まず他人に興味を持ち、常にもっと謙虚に全ての人から学ぶ姿勢を保つこと、そしてもっと読書することが必要だと思います。

まとめ

人としての徳を高める

それには、とにかくたくさんの人と本心で付き合うことが必要だと思います。

そこで、ありのままの自分をさらけ出し、相手に自分を知ってもらう。

そこで、衝突があればそこから学ぶ。

それを繰り返すことで、「思いやり」「気遣い」の精神を養っていきたいです。

それで、本当の意味で日本とアメリカの文化のいいどこ取りの二刀流の人間になりたいです。