読書記録、略して”読録”第24号は 出口治明 著書の 人生を面白くする本物の教養 という本についてです。
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この本に自分でタイトルをつけるならズバリ: 読書・旅・出会い
著者: 出口治明
1948年三重県生まれ、68歳。日本生命保険相互会社入社後、ロンドン現地法人などを経て、現在はライフネット生命保険株式会社の取締役会長兼CEO。「正直な経営を行い、わかりやすく安くて便利な商品・サービスを供給する」を経営理念に活動している。人は「本・人・旅」からしか学ぶことができないと主張し、彼自身の割合では本50%、人25%、旅25%であるそう。 |
読書に至ったキッカケ
自分はサッカーを通じて、基礎の大切さを学びました。
基礎の習得を怠ると、後で発展的なことを学ぶときに効率よく全てを覚えることができず、それが積み重なると中身の薄いものが出来上がってしまいます。
基盤が整っているからこそ、直線的な成長ではなく、曲線を描いたexponentialな成長カーブを描くことができると考えています。
何かをいじるときも取り扱い説明書はできるだけ目を通すし、テスト勉強をするときもまずは教科書を一通りおさらいする。
自分はそういうふうに、まず足場を固めることから始める習性があります。
ですので、今年「よし、これからはたくさん読書しよう!」と思い立ったときも、まずは”本の読み方”を勉強しようと考えました。
それが理由で、これまで樺沢紫苑さんの”読んだら忘れない読書術“や、斎藤孝さんの”語彙力こそが教養である”、千田琢哉さんの“人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。” などの本を選んで読んできました。
この本を選んだのも、”本の読み方”勉強の一環です。
出口治明さんの本はよく書店で目にしていましたし、自分には読書によって教養を高めたいという目的があったので、自分にとってピッタリな本であるように思い、手に取りました。
実際に、まえがきを読んでみるととても面白かったので、購入することにしました。
要約
教養とは?
「私のような大学も出ていない歳をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。その分だけ人生と世界は単純になっていく。だからこそ人生は楽しく、生きることは素晴らしい」
冒頭でこのようなココ・シャネルの美しい言葉を引用している出口さんは、教養は相手を魅了するために武装するものではなく、自分の人生をより楽しむためのものだと定義しています。
1つの事について、1通りよりも10通りの捉え方ができたら、人生はよりワクワクしたものになります。
使える絵の具の種類が増えたら描く絵がより彩り豊かになるように、多くの知識・考え方を知っていればその分世界も色鮮やかに映るものです。
教養を身につけるためには、とにかく好奇心旺盛に「面白い」と思った事を、腑に落ちるまで徹底的に調べることです。
それを続けていると、次第にあなたの見識は深くも広くもなり、自分が楽しくて追求しているだけなのに、周りが面白いと思ってくれます。
そして「面白い!」と思ってもらうことは、ビジネスにおいてとても重要なことです。
なぜ今教養が必要とされるのか
教養のもう一つの本質は「自分の頭で考える」「自分の意見を持っている」ことであると出口さんは述べています。
戦後、復興にむけてアメリカというゴールを目指して突き進んできた日本は、いわば「ルートの見えている登山」自分の頭で考える必要性の薄い社会でした。
そのような社会で、自分の頭で考え出す独創性は重宝されてきませんでした。
しかし時代は変わり、日本は追いかける立場から追いかけられる立場に変わりました。
今後の未来は自分たちの頭で考えて捻り出していかなければなりません。
考え方のコツとして出口さんは①タテとヨコで考えることと、②数字・ファクト・ロジックで考えることの2つを紹介しています。
タテ(時間軸、歴史軸)とヨコ(空間軸、世界軸)という2つの視点を交えて考えることで、歴史の流れのなかで、そして他国との比較のなかで物事を考えることができ、結果より相対的な、そしてより本質をついたものの捉え方を身につけることができます。
数字・ファクト・ロジックで考える、というのは物事の全体像を捉えることにおいて肝要です。
木を見て森を見ず、といいますが、数字とファクトに基づいたデータ・情報をもとに自分なりにロジックを組み立てて考えていくことで、枝葉末節の末節の部分ではなく、幹の部分を確実に捉えることができ、また騙されることも少なくなると、出口さんは力説しています。
出口流教養取得法
では、どのように教養力を磨いていけばよいのだろうか?
好きこそ物の上手なれ、といいますが、まずは面白いと思えることを追求することが大切です。
人は「本・人・旅」から学ぶことができ、その割合は「50%・25%・25%」だというのが持論の出口さんは、無類の読書好きです。
社会人となった今でもテレビやゴルフは放棄し、寝る前に必ず1時間は読書をするという自分ルールを設けているそうです。
読書法については、最初の5-10ページを読んで面白くなかった本は経験からして自分に合ってないので読まないこと、そして速読せずに腑に落ちるまで噛み砕くように精読することを挙げています。
読書とは人の話を聞くのと同じである、と考える出口さんは、話していて相手に「速読」されたら腹が立つからという理由で、自分自身本は速読しないのだとか。
本の選び方については、とりあえず何十年も何百年も無数の眼力に耐え、生き残ってきた古典は無条件で優れていると言っています。
また、キケロの「自分が生まれる前のことについて無知でいるということは、ずっと子供のままでいることだ」という言葉を紹介して、歴史書を読むことを推奨しています。
歴史本を読むこと= 偉大な歴史上の人物と対話すること 、です。
また時事的な情報収集という観点では、新聞で十分事足りると考える出口さんは、「文脈」「編集力」こそが新聞の強みであると述べています。
新聞社には整理部という部署があり、世の中で起こった出来事を毎日価値の順序で並べ替えているので、新聞というのは目を通すだけで一目で世の中で何が大事なのかがわかる仕組みになっています。
さらに、一紙ではなく複数紙読むことで、その流れはより正確に掴むことができると言っています。
そして「百聞は一見に如かず」旅こそ最強の教養なれ、です。
“旅のリアリティはほかに比するものがありませんが、範囲が狭いという問題があります。それに対して本ならどこへでもいけます。地球だけにとどまらず火星にでも太陽系外へも行くことが可能です。もちろん、昔の街にも簡単にいけます。旅と本は互いに補完関係にあるのです。うまく「本・人・旅」を組み合わせて人生をよき思い出で満たしてください。人生の楽しみは喜怒哀楽の総量(絶対値)にあるのですから”
日本の時事問題
今日の日本が抱える大きな問題のひとつは、税と社会保障の関係が”小負担・中給付”になっていることです。
これは、戦後高度経済成長を遂げていたころの日本が、いつまでもこの成長が続き、いつまでも人口が増え続けると仮定して作ったシステムであるからです。
皆保険、皆年金という社会保障制度の骨格が完成した1961年は、働く人11人で1人の高齢者を5年間養っていた時代でした。
しかし少子高齢化が顕著な今日の日本では、1人で1人の高齢者を20年間支えていかなければなりません。
これを出口さんは、「サッカーチーム1つで1人の高齢者を5年間支える時代から、騎馬戦、そして肩車で20年間高齢者を支える時代に変わりつつある」と形容しています。
日本の現状の問題点の根源を突き詰めていくと、結局は少子化に帰結します。
少子化対策には、やはり女性が赤ちゃんを産みたいと思えるような社会を整備することが最優先に考えらえるべきです。
ヨコの考え方をして世界に目を向けると、フランスではシラク三原則を用いて少子化に歯止めをかけることに成功しています。
- 第一原則: 子供が生まれる旅に手厚い給付を実施すること
- 第二原則: 地方自治体の責任で、保育所を完備し待機児童をゼロにすること。最初の一年間の育児休暇の間は給与をほぼ100%保障すること(一番負担のかかる0歳のときの保育を親にまかせることで、自治体の負担を減らす一方家族の時間を保障する)
- 第三原則: 子育てで最長3年間休職しても、職場にずっと勤務していたものとみなし、元の役職に戻る保障をすること
この3原則で出生率は10年で0.4もあがったそうです。
所感
“私は、自分のやりたいことをやる人生が、一番素晴らしいと思っているのです。頭に置いてほしいのは、自分のやりたいことは、人生のステージによってさまざまに変わるし、変わってもいいということです。”
そういって本書を締めくくった出口さんの本にはとても感銘を受けました。
他人にすごいと思われるためでなく、あくまでも自分の人生をより楽しくいきるために教養をつける、という考え方には目からウロコでした。
これからは、より活発に旅に出て、より多くの本を読んで、そしてより多くの面白い人と会って、自分の人生を2倍も3倍も、いや100倍も楽しいものにしていきたいと思います!
考えるだけでワクワクしてきました!!!
応用
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- 年末までに、2017年に読む本のリストを作る!
幅広いジャンルから本を読み、またまずは日本史をたどって自分の出身国について勉強し直したいです
- 年末までに、2017年に読む本のリストを作る!
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- 2017年は4回、国内旅行に出る!
3ヶ月に1回の計算です
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- 2017年は新聞を定期購買する
まずは1紙から始めようと思います!
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