読録23 “川北義則 ~ 男は人とどうつきあうべきか ~ “

読書記録、略して”読録”23号は川北義則著書の 男は人とどうつきあうべきか という本についてです。

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個人的全体評価: (3/5)
読みやすさメーター: (4/5)
語彙の難しさメーター: (3/5)
ドキドキメーター: (3/5)
新しい価値観メーター: (3/5)
説得力メーター: (4/5)

この本に自分でタイトルをつけるならズバリ: 格好良く生きる (この本に書かれてることは何も男性に限定した話ではなかった気がしました)

著者: 川北義則

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 1935年生まれ。慶應大卒、東京スポーツ新聞社を経て1977年に日本クリエート社を設立
メッセージを伝えるための挿話や引用の引き出しの幅が日本史から外国の小説まで広く、読んでいてとても説得力がある印象。とくに幕末からの挿話が多い。

読書に至ったキッカケ

前回の読録から引き続き、川北義則さんの本です。

「20代でやっておきたいこと」を購入し、読み終えた後自分の本棚に積ん読しておいたこの本を手にとって読み始めてみたら、あらビックリ、同じ著者でした。

よく考えてみれば、この本も1、2ヶ月ほど前にBOOK OFFで購入しておいた書籍でした。

無意識に同じ著者による本を購入してしまっているということは、それほど川北さんの本の表紙のマーケティング戦略にはまってしまっている、それか知らずしらずのうちに同じ本棚のセクションに向かってしまっている、ということですね。

自分の傾向が垣間見れて、面白いです。

要約

一人の男として生きていくうえで、大切なことを「気遣いの程度」「礼儀」「組織での立ち振る舞い」「会話上手」「自分のことを格好いいと思う」の5つのテーマに分けて、力説しています。

その中から、個人的に印象に残ったものを取り上げて紹介します。

真の男は群れない

「品格がある人」とは、自分の生き方に自信をもっている人のことを指す。と川北義則さんは言っています。

真の男は、自分の生き方に絶対な自信があるので、人に後ろ指をさされることがあっても気にしないし、自信なさゆえに人と群れたりすることはしません。

「損な役回り」を買って出る人物たれ

「誰かに貸しをつくるため」「見返りをもとめるため」

など不純な動機ではなく、単に「誰かがやらなければならないなら、自分がやる」

という精神を持つことが大事です。

それは結局他ならぬ自分のためになり、こういう行動は結果的に自分の「徳」を高めることになります。

また、その「徳」はときに成長のチャンスとなる「得」に変わる可能性もあります。

どんな仕事にも「コツ」や「勘どころ」があり、いろいろな仕事をこなしていくことで、その要領の良さを磨いていくことができます。

ただ、理不尽な要求をされたとき、「いい人」にならずNOと言えるバランス感覚も必要です。

独立を目指すなら「信用」をまず作れ

個人としての「信用」を築けるまでは、組織人の道をまっとうしたほうが良いだろう。実際、組織に置いておくのがもったいないほど優秀な人なら、世間が放っておかないものである。

というのが川北さんの考えです。

「信用」が最大のリスクヘッジ。

どんな散財も無駄にはならない

作家・藤原敬之氏の『カネ遣いという教養』という本から

「モノを買う・食事をする・映画を観る。カネを出すことで、モノ・食べ物・映画とのインターフェースが開かれます」

という一文を引用して紹介しています。

知行合一、という言葉が前回の読録にも出てきましたが、知っている、と、経験する、は全く違うように、お金を払って触れてみることで、新たな事象との無限の連鎖が生まれ、より深く広い教養を身につけることができます。

「カネを出す前と出した後の自分は明確に違います」

ぜひ覚えていたい言葉です。

新聞で見識を高め、読書で徳を高める

社会人なら最低一紙は定期購読するべき、と説く川北さんは、朝日新聞、産経新聞、日本経済新聞の3紙に目を通しているようです。

注目するのは、テレビでも確認できるような事が記載されている大見出しの記事よりかは、囲み記事やベタ記事のような小さなものであるとのこと。

新聞記事というものは、それなりの訓練をうけた記者が取材して書き、経験を積んだデスクや編集長のフィルターを通っているので、ある程度のクオリティーが約束されています。

こういう小さな記事に日々目を通しておいてこそ、教養が着実に身につき、話題の引き出しも増え、雑談に磨きがかかります。

新聞が見識を高めるならば、読書は徳を高めてくれます。

多くの読書をしている人は、概して懐が深く、さまざまな素養や考え方を身につけているため、決して軽はずみな発言はしません。

最高を知ることで男を磨け

「一流」や「世界最高」と呼ばれるものをどれだけ知っているか、身近に感じているかは、その人の人生観やものの考え方に大きく影響します。

本当の一流を五感をつかって感じ取ってからこそ、一流とそれ以下の区別がつくようになるものです。

最高級と呼ばれる鮨の味を知っていれば、他の店のレベルもわかるようになるように。

ですので、最高級のものを知る事は、現在の自分の価値を相対的に測るうえで、重要です。

所感

「かくすれば かくなるものと 知りながら やむにやまれぬ 大和魂」

うえは川北さんが紹介していた吉田松陰が詠んだ詩ですが、本書を通して川北さんは、男として最低限の礼儀を弁えながら、そして自分自身の徳を日々高めながら、小さくおさまらず果敢にチャレンジしていく男になれ、との奨励メッセージを発信していました。

要約でとりあげた項目は、ぜひ意識して今後生きていきたいです。

一方、川北さんの本を読むのは、この本で2冊目になりますが、今年で81歳になることもあって、考え方がかなり古風であると感じています。

例えば、「松下電気からPanasonicに変わったのは、『名は体を表す』の精神に則っておらず、聞いただけではなんの会社かわからないので消費者への礼儀を欠いている。」

と述べています。

これは、いくつか偏りすぎた価値観であるとも思います。

少し昔の男性が考える理想の男性像、と理解しておく必要がありそうです!

応用

    1. 職場で雑用があれば、自分が進めて引き受け、成長の機会とする!
    1. 次に引っ越したら新聞を定期購読する。それまではiPhoneアプリで新聞のニュースをチェックする!
    1. 東京に住んだら、1ヶ月に1回は美術館に足を運ぶ!

音読しましたか?

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