読書記録、略して”読録”第21号は亀田 潤一郎著書の 稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか? という本についてです。
個人的全体評価: | |
読みやすさメーター: | |
語彙の難しさメーター: | |
ドキドキメーター: | |
新しい価値観メーター: | |
説得力メーター: |
この本に自分でタイトルをつけるならズバリ: お金にも心は宿っている
著者: 亀田潤一郎
1967年生まれ。税理士。資金繰り改善コンサルタント。学生時代、父の会社が倒産し、ほぼホームレスの生活を送った経験をもつ。
読書に至ったキッカケ
あれは1ヶ月ほど前…ぶらりと本屋に立ち寄った時、視界の隅に私はこの本を捉えました。
その時はただその棚の前を立ち止まることなく通り過ぎ、店を出たのですが、
ただ、その後の20分くらいの運転の間、ずっとこの本のタイトルが気になっていたことを覚えています。
「稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?」
え、もしかして… 長財布を使っていない自分は稼げないの?
っていうか、自分の周りは稼いでる人も折りたたみ財布使ってるし、そのセオリーは間違ってるはずだ。
というか、間違っていてくれないと、自分が困る。。
自分は「物を大事にする人は人も大切にできる」と親に教えられて育ってきました。
大学の4年間も、周りのiPhoneが進化してスクリーンが大きくなっていく中、一人だけiPhone4使ってました。
財布も同じで、6年前に買ったやつを墓まで持っていくつもりで愛用していました。
しかし、その財布が折りたたみなんです。。
別にこの本は「長財布だと儲かる」と言っているだけで、イコール「折りたたみ財布は儲からない」っていうわけじゃないから、あまり気にしなくていい!
と自分に言い聞かせてみるものの、なんだかとっても悔しい!!
腹立たしかったので、次本屋で見かけたときは、絶対に読んでこの本を否定してやる!
そう一人で胸に固く誓っていました。
そして先週、Book OFFに行くと、あっっ! 「長財布」の字が目に入りました!
10秒後、僕はレジでこの本を購入していました。
要約
お金にも心が宿る。最高のおもてなしを!
人を軽んじる人は人に軽んじられるように、お金を軽んじる人はやっぱりお金から軽んじられる
そう断言する亀田さんのお金に対するこだわりは、人間付き合いとおなじようにお金とも付き合う、という点に集約されます。
財布とは、亀田さんからしたら「いわば自分の元に訪れたお金を迎え入れるホテルのようなもの」であるそうです。
お金をおもてなしの精神をもって扱う、ということはまずお金の気持ちを考えることから始まります。
すると、自然にお金の向きを揃えてあげたり、ギザ十に気づいてあげたりできるそうです。
なかでも亀田さんがお金の気持ちを考えすぎているのではないか、とおもわず突っ込みたくなるのがこちら。
「私は常に財布の中に5000円札を4、5枚はキープするようにしています…
私にとって、1万円札の諭吉さんはお札のなかの大将というイメージ。大将が最前線に立っていたのではすぐに崩されてしまいます。そこで彼をできるだけ守ってもらうために、手前に家来の5千円札を配置し、踏ん張ってもらうのです」
年収200倍の法則
税理士という仕事柄、お金周りの仕事が多い亀田さんは、ある日この法則の存在に気づいたそうです。
いやいやいや、それは違います。 財布の価格が上がるから年収があがるのではなく、年収が高いから高価な財布を買えるのでしょうよ!
とツッコミたくなりますが、彼の発想は全く逆で、良い財布を持ちセルフ・イメージを高めることにより、お金に対する意識が変わり、結果年収がアップするのだそうです。
「私はこんなにいい財布を持っているのだから、これにふさわしいお金が入ってくるはずだ」
そんな風に考えれるようになる、ということですね。
財布のダイエット
お金に好かれる人の財布は、例外なくスリムなのだとか。
そのため、財布とは別に小銭入れを持ち歩くことを奨励しています。
最初は財布と小銭入れの2つをもつことが面倒でも、すぐ慣れるとのことです。
また、亀田さんは1日の終わりに「財布のワンデイ・クリアリング」という名の掃除をしているそうです。
その時に小銭は貯金箱へ移し、いらないレシートなどは捨てているそうです。
そして、財布が太らないように、ポイントカードなどは極力作らないですし、あっても財布に入れないようにします。
あと、財布に名刺を入れるのもタブー
節約したければ、高いものを買うべし
「安いから買うのではなく、欲しいから買う」
これを徹底していれば自然と、安いから買う、という購買動機は消滅していきます。
また、長期的に愛情をもって大切に使えるものを好んで買っていくことが、結局は消費回数を抑え節約につながります。
3種類の財布の出口
1に消費、2に浪費、3に投資、です。
消費とは、等価交換消費のことで1万円を払えば1万円の価値を即座に得ることができること。
浪費とは、使ったら使いっぱないしで、将来的な価値を生み出さないお金の使い方。
投資は、将来より大きなリターンが見込めるようなお金の使い方です。
浪費を抑え、消費が単なる消費で終わらないで、代わりに投資になるような使い方を工夫する。
それがお金の使い方の肝である、とのことです。
入るを量りて出ずるを制す
収入とくらべて、支出は自分で100%コントロールできます。
ですので、お金を貯めるには「入るを量りて、出ずるを制す」まずは収入を把握し、それに基づき支出をコントロールすることです。
また、お金に困っているときほど残高を確認するのが憂鬱になり、つい目をそらしてしまったりするものですが、そういうときこそちゃんとお金に気を向ける必要があります。
コンビニでお金をおろすな
出費とは、感情の起伏に左右されやすいものです。
それを制限するための自分ルールが重要になってきます。
亀田さんが紹介している「自分ルール」のひとつが、ATMからお金をおろすのは月に2回まで、と決めることです。
そして、そのタイミングを定期的にしておくことで、その期間中にどれだけのお金を使ったかが、(引き出した額 – 財布に残っている額)の引き算で割り出せます。
不定期にコンビニにいき、1万円、3万円と毎回ランダムな額のお金を引き出し、なくなったらまたATMに行く。
こういうお金の使い方をしているひとは、決まってお金持ちではないのだとか。
貯金には目的を持て
お金の亡者にならないためにも、貯金には目的を持つことが重要です。
亀田さんにとって、貯金とは人生の選択肢を増やすための方法、であるそうです。
お金に振り回されない秘訣
自分の手元に5万円あるとき、「5万円しかない」と考えるか、「5万円もある」と考えられるかで、お金に振り回されるかが決まります。
「~円もある」とポジティブに考えることができるひとは、お金の使い方をより有効に工面することができます。
所感
「お金の気持ちを考えれば、札を折り曲げるなどという行為には絶対に至らん。折りたたみ財布など、もってのほかだ!」
というのが、亀田潤一郎さんが本書を通して伝えたかったことでしょう。
人付き合いのように、お金と付き合う。というのは、自分にとっては全く新しい考え方でしたので、読んでいて新鮮でした。
この本を読み始めて、「年収200倍の法則」が出てきたときは、自分が現在使っている財布が1万円の物なので、反抗的な態度をとってしまいましたが、読み進めていくと納得できることがらも多かったので、本書を読めてよかったです。
すぐ長財布を買おう、とはなりませんでしたが(というか今それに支出を割いている余裕があまりない…)、いずれは長財布に買い替えようと思います!
あと一つ。ATMからお金をおろす自分の”給料日”を月2回と制限し、毎回決まった金額を引き出し、コンビニでは引き出さないようにする。という自分ルールは目からウロコでした。
自分は今まで買い物をするたびにレシートをもらい、月末に全てを書き出し、支出を可視化する作業をしていました。
この作業をZaimというiPhoneアプリを使って行っていたのですが、毎月1時間くらいの時間を割いていました。
これを始めた理由が①その月の支出総金額を知るため ②何にお金をどれだけ使ったかを把握するため の2点でした。
しかし、この”月2給料日ルール”を適用し、「投資」につかったお金のレシートだけをキープしておけば、半月でどれだけのお金を使い、そのうち「投資」がどれだけの割合を占めていたか、わかるようになります。
毎月1時間かけてレシートの内容をアプリに打ち込むより、効率がよいですね。
あと、ATMでお金をおろすときにかかる使用料が、実は結構高いことに毎回腹が立っていました。
この自分ルールを使えば、ATMに無駄なお金を払う回数が少なくなり、まさに一石二鳥ですね。
応用
-
- 2017年中に長財布を買います! 5万円の財布を買ったら、年収は1000万円確定?? あんまり年収200倍の法則は信じていませんが、新たな気持ちでお金と向き合うためには必要な処方箋かもしれません。
-
- 財布ダイエット。まず、財布から名刺を抜きます。いらないカードもできるだけ抜きます。レシートも「投資」に使ったお金以外はキープしないようにします。
-
- 月2回給料日ルールを適用する! 銀行でお金をおろすのは、毎月1日と16日にすることにします! 自分の中で、毎回~円引き出す、という具体的な金額も決めておきます。