読書記録、略して”読録”第22号は川北義則 著書の 20代でやっておきたいこと という本についてです。
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この本に自分でタイトルをつけるならズバリ: 20代で学んだことは、その後一生もんになりますよ
著者: 川北義則
1935年生まれ。慶應大卒、東京スポーツ新聞社を経て1977年に日本クリエート社を設立 メッセージを伝えるための挿話や引用の引き出しの幅が日本史から外国の小説まで広く、読んでいてとても説得力がある印象 |
読書に至ったキッカケ
千田琢哉さん著の 人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。 という本の
「本の買いすぎで貧乏になった人はいない。本は自費で買ってこそ敬意をもって読書に向かうことができる」
という一文に出会ってから、私は毎回1500円ほどを払って新刊書を購入することに抵抗がなくなりました。
ですが、たまには古本屋に行くのも悪くない、とルームメイトと2人でBook OFFに行きました。
そこで、ふと目に止まったのがこの本です。
23歳の自分にとって、20代でいられるのも後6年です。
啓発本の類は、著者が自分の半生を通して経験した成功談や失敗談から得た教訓を、若い世代が同じ失敗をしないように親切に教えてくれるものばかりだ、ということを最近思います。
多くのことを吸収できる20代、先人がしてきたのと同じ後悔をしないよう、この本を読んでおこうと思い購入にいたりました。
要約
自分の器を大きくする
社会人の始まりである20代にまずすべきことは、自分の器をできるだけ大きくしておくことです。
そのためには、とりあえず経験を積むこと。
そしてそのために、まずはとにかく何事にもチャレンジしてみることが大切です。
20代は、この先数十年間は続けることになる仕事の基礎固めをする段階です。
新人時代に学ぶのは仕事の内容ではなく、仕事のやり方です。
欠点はあったほうがいい
大きな欠点と思えることは、必ず大きな長所と結びついています。
中国には「人を論評するときは、いつでもその最初に人間の長所を挙げていけば、短所は言わなくても自然にわかってくる」という言葉があるそうなのですが、欠点は長所の裏返しなのであって、常識の範囲外の欠点でないのであれば、殊更気にする必要はないと川北さんは言っています。
つまらない仕事にもベストを尽くす
「若いうちは下手に計算などせず、目の前の与えられた仕事を一生懸命やっている人の方が大きなチャンスに恵まれやすい」
仕事に不満があったとしても、与えられたのであれば文句をいってもやるしかありません。
どうせするのであれば、一生懸命取り組んだ方が学びは多いものです。
よいメンターを見つけよう
川北義則さんは「龍馬のように生きてみないか」という著書でも知られる、龍馬ファンです。
そんな川北さん曰く、
「坂本龍馬があそこまで大きな人物になれたのも、勝海舟という良きメンターに恵まれたからだ。 …
龍馬は志をもって、自ら行動した。自分を磨いてくれる存在を、自分から探し回ったのだ。」
後で触れますが、一流の人間から学ぶことは20代においてとても大事なことです。
そして、一流の人間に会うためには、自分から足を運ぶことに限ります。
2つの法則
- 自分に解決できない問題は、絶対に自分に降りかかって来ない
- 問題の解決策は思わぬ方向からやってくる
この二つの”人生の法則”を知っていれば、励みになりますね。
解決策が今すぐわからなくても、試行錯誤しているうちに答えは自ずとやってくると分かっていれば、すぐに諦めたりはしないでしょう。
20代愚行のすすめ
10年、20年後に「とてもあそこまではできないな」と思うようなことを、20代のうちにやっておくといい。
例えそれが仕事でも、勉強でも、遊びでも、恋愛でも。
小さな成功体験を積み上げる
若いとき自信をつけるには、ささやかでも小さな成功体験を積み上げることが必要です。
「知行合一」という言葉がありますが、この仕事は自分にはできる、と頭でっかちになるのではなく、実際にやってみて自分にその仕事ができることを確認する。
そうやって、成功体験を増やしていくことが、20代であるうちは大事です。
人の気持ちを忖度できる人間になる
忖度(そんたく)とは、人の気持ちを推し量ることです。
人の気持ちを忖度し、いわれない有益なことをしてみる。
良い例として、草履を温めておいた豊臣秀吉が挙げられています。
常に相手の立場に立った見方を忘れない
例えば上司に仕事を気づいた問題点を提言をするときなど、まずは相手の立場から物事を捉えてみるステップを踏むことが大切です。
相手には相手なりのそうした、またはしなかった理由があるかもしれません。
また、不満が生まれることを見越して、それでも何かの別のメリットのために仕方なくそうする、という判断を下したのかもしれません。
とにかく、上司の方が広く深く全体を見えていることが多いので、まずは相手の立場になって考えてみましょう。
かの福沢諭吉も同意見でした。
先輩に可愛がれる人になる
社会において、上から「かわいがれる」ということは大切な要素の一つです。
こちらが好意を抱いている相手には好かれ、逆に嫌悪を抱いている相手からは嫌われる、「鏡の法則」と呼ばれる条理がこの世の中にはあります。
上から気に入られるためには、まず無条件に相手に好意を抱いてみることです。
当たり前のことを当たり前にできるようになる
信用力をつけるには、当たり前のことを当たり前にこなせる人間にならなければいけません。
出世していく人間のほとんどは、当たり前の仕事を当たり前にこなせる人です。
ですので、会社に入ったらまず些細な仕事をきっちりこなせる人間になることを心がけよう、とのことです。
新聞を読む習慣をつける
20代のうちに絶対に新聞を読む習慣をつけるべし、と川北さんは提言しています。
新聞にはニュースだけでない囲み記事などがあって、それが仕事に色々と役立つことが少なくない、とのことです。
新聞を読むクセを20代のうちにつけておかないと、30代40代になってから落ちこぼれていく恐れがある、とまでも言っています。
マナーは舞台に立つための最低条件
若い人が会社にはいってうんざりするであろう、礼儀作法の一つ一つ。
煩わしいかもしれませんが、これができないと”ゲームの舞台”に立って実力を発揮することさえもできません。
日本のことを知らないビジネスパーソンにはなるな
20代で、一度自分の国について勉強しなおし、一通りの知識を身につけることを勧めています。
グローバル化が推し進められ、外国人を相手にビジネスをする機会が増えていく中、自分の国についての知識を持っていることは、自分の国への誇りを持って接することに通じます。
さもなければ、自分の国に誇りをもっていないやつなど、信用できない。と思われてしまうとのことです。
一流の人、ものと触れ合う
なぜ一流の人、ものと触れ合うことが重要かというと、自分のなかの判断のモノサシが自然にできるからです。
一流と二流の差みたいなものは、言葉で表現するのがすごく難しいが、確実にある。
そしてそれを知るには、絶対に直に触れないとダメだ。
20代はできるだけ時間をつくって、絵や音楽など、芸術作品の本物に接する機会をたくさんもつことが大切だと川北さんは言っています。
一人遊びを覚える
人間の大きな悩みのタネのひとつであるのが「孤独感」
孤独を感じないようにする方法の一つが、自分だけの「一人遊び」を覚えることです。
それはオタクになることでもいいですし、とにかく一人で夢中になってできることであれば何でも構いません。
一人遊びができるようになると、独創力がついてきます。
そして、その独創力は仕事に活かすことができます。
また、海外を一人で旅してみるのも手の一つです。
一人で行動していると、普段考えないようなことを考えるようになる、とのことです。
年金の心配などするな
今の20代が年金をもらうころには、貨幣価値からいってかなり悲惨なことになっているだろう。
若者よ、年金の心配などするな。どうせもらえないのだから。
二足のわらじを履いておけ
会社の仕事に差し支えない程度で、別のわらじを履くことを勧めています。
20代は平均寿命からいって、あと60年は生きなければいけない。最後の10年間を余生とみても、あと50年は働かなければならないのだ。今の仕事をあと50年も続けられると思うか。
そのときのための選択肢を増やしておくためにも、二足のわらじを履くことを川北さんは提言しています。
所感
川北義則さんがこの本で述べていることは、とても共感できるものばかりで、気づいたらまとめがとても長いものとなってしまいました。
ここに書いてあることを全て実践できるようになれば、かなりの人物になれると思うのですが、無理は言わずに少しづつ取り組んでいき、少しでもよりよく生きれるようにチャレンジしていきたいと思います。
多くの”人生攻略”が書いてありましたが、そのなかでも一番胸に響いたのが、一流の人モノに触れることの重要性と、20代で働き方のベースは決まってしまう、ということです。
サッカーは若いうちしかできないから、会社で働くのは後回しでいいじゃないか。
なんて価値観を持っていましたが、20代は仕事の基礎を叩き込む重要なステージであるがゆえ、サッカーをしながらでも一流の人と触れ合い、一流の仕事の基礎を今からでも身につけていくことが今後の人生に大きく影響してくる、という話に良い意味で危機感を覚えることができました!
応用
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- 「当たり前のことを当たり前にやる」「つまらない仕事でも全力で取り組む」ことが信用につながることを常に念頭におき、与えられた仕事は全力で取り組み完璧にこなしていくよう、気持ちを改めます
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- 坂本龍馬のように、メンターは自分で会いに行くだけでなく、会った人とはつながっておくことも大事だと思います。この冬は、自分がメンターと仰いでいるK氏、T氏、M氏の3人に会いにいって現状報告をしたいと思います。
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- 新聞を実際に定期購読するのは、もうすぐ引っ越すのでそれからにしようと思いますが、とりあえずアプリで日経新聞はダウンロードして会員登録します
- 日本人としてグローバルに活躍していくにむけて、自分の国について知ることが大切です。ここまで読んできた多くの本に登場した、司馬遼太郎の「竜馬が行く」を読破することからスタートしようと思います!