読録6 “斎藤孝 ~ 語彙力こそが教養である ~ “

読書記録、略して”読録”第5号は斎藤 孝著書の 語彙力こそが教養である という本についてです。


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個人的全体評価: (4.5/5)
読みやすさメーター: (4/5)
語彙の難しさメーター: (3.5/5)
ドキドキメーター: (3.5/5)
新しい価値観メーター: (4.5/5)
難しさメーター: (2/5)

読書に至ったキッカケ

ここ最近「読書する」という行為自体に関しての本をたくさん読んでいます。

これは、もちろん読書をすることの価値を勉強しようという狙いもありますが、それ以上に読書をもっと好きになりたいからです。

というのも、これから自己成長のためたくさん読書をしていく上で、読書することを先に好きになっておけば、長期的に見て読書量も圧倒的に増えるだろうと仮定しているからです。

この本を見たとき、「この本を読み終わった暁には、もっと読書をしたくてたまらない自分がいるはず」と感じたので、購入しました。

要約

人間は脳で思考するときに、無意識に言語を使っているそうです。

語彙力=教養 というのは、つまり知っている語彙が多ければ多いほど、多彩な表現で思考を形成することができ、深い考えを持つことができる という意味です。

逆に言えば、思考が浅い人は浅い言葉しか使えないのです。

「まじで」とか「やばい」を連発したり…

このことを、斎藤さんは「8色の絵の具ではなく、200色の絵の具を使って描く世界」に例えています。

斎藤さんは語彙力のことを「正しい文脈でその語彙をすぐ使える」という様に定義しています。

そして、語彙力を身につけるためのトレーニング方法を紹介しています。

  1. インプットの王様は「毎日の読書」この、毎日というのが大事ですね。そして、名著を読むことの重要性も語っています。特に、「ものの見方」を豊富に知ることができるエッセイを読んだり、気に入った作家の今日までに出ている全ての本を徹底的に読み尽くすことを推奨しています。
  2. 歌詞、ネット、映画、テレビからも語彙を汲み取る村山春樹さんはスガシカオの歌詞を評価しているらしいです。あとは、Amazonレビューを見て批評の言葉を学んだりするのも語彙トレーニングにはよいとのことです。
  3. オウム返し使い慣れていない言葉を使うのはとても不安なことです。上司や知り合いなどが知らない言葉を用いたら、その場でオウム返しして、相槌を打ちながら言葉の使い方を覚える、脳に記憶させる。
  4. 筆者やキャラクターになりきったつもりで、素読(そどく)する!そうすることによって、身体に残るそうです。ちなみに、一昔前は学校でも授業中に先生のあとに続いて素読をするのが当たり前だったそう。英語でいう”Repeat after me”じゃないですけど、素読することによってアウトプットとインプットを同時に行うことができます。また、名著を素読するとリズム感がとても良いことに気付くそうです。

    名著が歴史を超えて残っているのは、それなりの理由があるからこそであり、そういう本は素読すると美しいリズムで読みやすいとのことです。

  5. 落語から笑いの語彙をコピーする話が面白い人は、伝えている話の内容が面白いだけではなく、その口調や話し方が上手いからという一面もあります。話がつまらない人は、気づかないうちに話の要約を、モノトーンで伝えているのです。面白い話を伝えるのは、そのまま完璧な伝言ゲームをするのが一番良いとのことです。
  6. 語彙トレパートナーを見つける自分より語彙力がある人と積極的に関わりを持ちましょう。

応用

この本を読んで、高校・大学と数学や統計ばかり勉強して、なるべく読書やessay writingを避けてきた自分を後悔しました。

数学や統計に明け暮れた日自体は全く後悔しておらず、それは逆に今でも自分の強みとして自覚しているのですが、それとほどよいバランスを保ちながら文学にも労力を費やすべきでした。

振り返ってみれば、それは自分が文学を好きでなかったことが大きな理由だと思うので、まずは読書を好きになることからスタートですね。

そして、そのスタートはすでに切れていると思います!今では毎朝15分の読書の時間が毎日楽しみです!

さて、この本を読破してから、というか読んでいる最中から素読することを始めました。

なるべく筆者になった気持ちで、口調も意識して素読しました。

初めはやはり慣れないですが、素読することによって自分が意味は知っているが読めない漢字や熟語などがはっきりするようになりました。

それを今はすぐ調べて、その場でそのページ上に意味を書き込むようにしています。

読書スピードは若干遅くなりますが、今はそれでも別に良いと思っています。

あとは、「4コマ漫画で学ぶ小学生の慣用句集」ならぬものも購入しました(笑)

恥ずかしいことに、4割ほどしか意味がわかりません。

しかし、知らないで会話についていけないことの方が恥ずかしいので、ここは開き直りそんな自分を受け止めて、コツコツ勉強していきたいと思います。

あとは、毎日30分以上ある運転の時間を有効に活用したいので、落語のCDをamazonやTSUTAYAなどで探して購入したいと思います。

以上!

まとめ

以前読んだ樺沢紫苑氏著書の「読んだら忘れない読書術」にも書かれていましたが、目で読むとき、素読して声に出すとき、そして書くときは全て違う脳の部分を使うそうです。

そして、脳の様々な部分を刺激してあげることで、記憶力は上がるそうです。

さらには、言葉とシチュエーションをセットにして、イメージ化することも覚えるには良いとのことです。

これからは、読みながら声に出して、わからないところや気に入ったところは書き込んで、頭でシチュエーションを想像して、脳みそフル活用で読書したいと思います。

そして最後に、この本にはたくさん名著の紹介がされていました。

以前どこかで、”読書も大事だがいい本に巡り合うことも大事。そしてそのための近道は自分が尊敬する人のお勧めを聞くこと”とのような旨が書かれているのを見たのを覚えています。

斎藤孝さんの本は好きですし、彼の文面も好きですし、そんな彼が読んできた何千の本の中から選んで勧めている本は是非自分も目を通したいです。

夏目漱石の「坊ちゃん」をはじめ、
三島由紀夫の「不道徳教育講座」
寺山修司、みうらじゅんやリリー・フランキーや、斎藤孝さんが多大なる影響をうけた坂口安吾のエッセイ
人生の課題図書とまで評するドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未成年」の5大長編
語彙の源泉である「三国志」
孔子の「論語」
ニーチェの「ツァラトゥストラ」
漢熟語を極めるにはうってつけの中島敦の「山月記」
そして、これは本ではないですが、立川志の輔さんの「まくら」という落語

など、ここに上げられているもの以上の本を斎藤さんはこの本の中で紹介してくれています。

ハードルが高いと感じる本は、Amazonレビューや現代語訳、解説文を読んであらすじを予め把握しておくことも良いそうです。

まずは、夏目漱石の「坊ちゃん」が本屋で250円ほどで売っていたので、購入しました。

斎藤孝さんが大絶賛する本が250円で買えるなんて、なんかスーパーお買い得な気がしました。

小学生のときに読んで、途中で挫折した覚えがあるのですが、今読むととても面白いです。

ページ数も150ページくらいで、とても気軽に読めてます。

あー読書が楽しい!

それではまた。