読書記録、略して”読録”第12号は日本人であれば誰でも知っている夏目漱石著書の 坊ちゃん という本についてです。
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この本に自分でタイトルをつけるならズバリ: 不器用江戸っ子
…センスない。
(夏目漱石大先生の本に自分でタイトルをつけるのは正直気が引けました…笑)
読書に至ったキッカケ
最近好んで読んでいる齋藤孝さんが、日本人の人生の課題図書としてあげていたのがこの本でした。
彼は、日本人は学校で下手に国語を勉強するよりも、いっそのこと夏目漱石さんの著書を全て読破したほうが日本人としての感性を育てることができる、とまで手放しで大絶賛しております。
夏目漱石さんといえば、言わずと知れた日本の文豪で野口英世さんの前の1000円札の顔になった人ですね。
坊っちゃんのほかにも、デビュー作「我輩は猫である」などが有名ですが、自分は恥ずかしいことにどれも今まで読んだことはありませんでした。
確か小学生の頃一度親に坊っちゃんを勧められたことがあり、買ってもらったものも当時の自分には難しすぎて挫折した記憶もあります。
そんなこともあって抵抗があったのか、または高校、大学と日本を離れていた分日本の文学に触れる機会が少なかったこともあってか、今まであまり日本文学というものに興味が湧きませんでした。
しかし、齋藤孝さんの本を読んでようやく今回日本文学を読み始める気になりました。
要約
舞台は夏目漱石さんも生きた明治時代の愛媛にある、とある中学校。
若くして両親を亡くし、当時は下女と呼ばれていた召使いである「清(きよ)」に可愛がられて育った主人公は、江戸から愛媛にある中学校の先生になるために転勤します。
しかし、そこに待ち受けていたのは江戸っ子をバカにする生意気な中学生たちと、中学校という狭い世界で権力争いをする教員団。
ぶっきらぼうで冷たい人付き合いしかできない主人公は、実は純粋な正義感の持ち主。
「坊っちゃん」はずっとこの主人公である坊っちゃんの第一人称から描かれているので、読者である私たちは、坊っちゃんの優しくまっすぐな心情を知りながらも、不器用で「親譲りの無鉄砲」であるがために、なかなかうまく感情表現ができず、損ばかりしてしまう坊っちゃんを、つい応援したくなってしまいます。
そんな不器用な坊っちゃんと、愛媛の教員団、そして生意気生徒たちの関係がとてもユーモアたっぷりに、描かれています。
所感
坊っちゃんを読んで一番新鮮だったのは、坊っちゃんのように不器用な愛情表現しかできず、意地っ張りな友人が自分の近くにちょうど数名いることでした。
あの人たちも、頭の中ではこんなに色々なことを理屈立てて考えていたのかな、なんてことを考えながら読んでいると、必ずしも一致しないとはしてもその友人の気持ちが少しわかった気がして、そしてその人のことを以前よりも少し好きになることができました。
よく、「小説をたくさん読む人は人の気持ちがわかるようになる」と言われますが、それの根拠が少しわかったような気がしました。
人は1つの行動に至るまでに様々な感情や思いを、それこそ1つのことをするのにもしかしたら2ページ分ぐらいの考えを巡らせているかもしれないということが、なんとなく感覚的にわかりました。
そうすると、たとえ誰か他人が自分にとって理解不能な言動をしたとしても、きっとその人なりの理屈があるんだろうなと、相手の立場に立って冷静に考えられるようになるのでしょう。
特に坊っちゃんを始めとする日本文学は、日本人のものの考え方や心情を理解するのに、もってこいだと思います。
日本に帰ってきてから1年が経ち、いわゆる純日本人てきな文化や考え方から自分はズレていることに気付きました。
それが悪いことだとは全く思っていませんし、今から自分が”Japanification”する必要性もないと思っているのですが、でもその価値観を知っておくことは相手を不快にさせないために重要なことですし、自分にとってプラスにしかなりません。
ですので、今からでも遅くないので、もっと日本文学を読んで日本人の心を理解したい、と思いました。
応用
日本文学をもっと読む。
そのためにまずは夏目漱石を5冊読む!
ということで、さっそく「こころ」を購入してきました。
読むのが楽しみです!
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